読み方/英語:ステルスマーケティング/stealth marketing
ステマを詳しく説明すると
今日は「ステマ」について勉強するわよ。
ステマ?
ステマは知っているかしら?
ひょっとして、ステキなママ?
はあ?全然違うわよ。。。
わかりません。
じゃあ今日はステマについて勉強していくから、ね。
お願いします。
ステマとは
ステマというのは「ステルスマーケティング(stealth marketing)」の略語の事よ。
ステルスマーケティング?
ステルスとは主に軍事分野で使用される用語で、敵のレーダーから察知されない技術の事よ。マーケティングとは商品やサービスを販売するための計画や宣伝の事ね。
ふむ。という事はステルスなマーケティングやから、隠れて宣伝する事?、ん、なんか変やな。。。
少し違うわね。ステルスマーケティングの意味は、「製品やサービスを宣伝する人が、一般の消費者みたいに装いながら、実はその製品メーカーからお金やプレゼントなどの対価を得てその宣伝をする」ことなのよ。
むむむ、どういう事や?
つまり宣伝は消費者の意見ではなく、お金が関与しており、これを隠して消費者を欺こうとする手法の事ね。
もしかして「サクラ」ってやつか?
そうとも言えるわ。日本語では「サクラ」という言葉がステマに近いわね。あとは「ヤラセ」とかかな。
なるほど、ようやく分かってきたで。
例えば、あるラーメン屋が凄く美味しいってブログで発信して、実はそのラーメン屋からお金をもらって宣伝を依頼されてた、みたいな感じか?
そうね。
自分がラーメン好きで、独自の評価を述べたかのように見せかけて、実際はラーメン屋さんとの宣伝契約を結んで報酬を受け取っていた、という事ね。
ふむふむ。
ステマかステマじゃないかのポイントは、「宣伝であることを隠し、かつその宣伝に対して報酬を得ている」という点よ。
なるほど。
ステマの問題点
でも、そもそもステマの何がダメなんや?
じゃあステマの問題点を挙げてみるわ。
- 透明性不足:ステマでは宣伝が隠されているため、消費者が宣伝だと気づきにくい上に情報が不透明になる。
- 信頼性の低下:ステマが発覚すると、宣伝者や広告主の信頼性が損なわれる。
- 倫理性の問題:ステマは誠実さに欠け、報酬を受けながら透明性を隠した宣伝を行うため、倫理的に問題がある。
むむむ。
ようするに、報酬を得て宣伝を行っているのに、あたかも報酬を得て行っている宣伝ではないように見せかける事が問題なのよ。
という事は、この宣伝は報酬を得て行っていますと宣言すれば問題ないのか?
その通りよ。最初から依頼を受けての宣伝と分かるようにしている場合は何も問題は無いわ。問題なのは宣伝であることを隠して消費者を欺くことなのよ。
なんで宣伝であることを隠したいんやろか。
それはね、消費者の信頼を得る情報というのが、報酬を得ての宣伝だと難しいからよ。
むむむ、どういう事や?
さっきのラーメン屋さんの例でいうと、そのラーメン屋さんから報酬を得ての「ここのラーメンは美味しいよ」という宣伝と、まったく報酬の絡まない単なるおすすめと、どちらが消費者にとって説得力のある情報か、という点を考えてみて。
そりゃお金の絡んでいないおすすめの方かな。美味しかったら人にお勧めしたくなるもんな。
でもお金を貰っての宣伝って、そんなん美味しいっていうのに決まってるやん。
そうなのよ、報酬を得ての宣伝は基本的には良いことしか言わないわよね。でもそれをあたかもまったく報酬の絡まない単なるおすすめのように見せかけて、実は報酬を得ての宣伝だったと消費者を欺くのが「ステマ」なのよ。
なるほど、そういう事か。
消費者の心理的な部分を利用しての騙しなんやな。
そうよ。
【2023年10月1日から】ステマ規制施行
じゃあステマはやったらあかんのか?
じつはステマに対しての法的規制は今までなかったんだけど、2023年10月1日から景品表示法という法律の改正により、ステマが不当表示として規制されることになったわ。
どんな規制なんや?
規制内容は下記の通りよ。
- 商品やサービスの提供を受けたこと、または金銭や物品などの対価を得たことを明らかにせずに、商品やサービスの宣伝をする行為
- 商品やサービスの宣伝をする際に、商品やサービスの提供元に関する情報を明らかにせずに、商品やサービスの宣伝をする行為
そうか、法律で規制されるんやな。
という事はもしかして罰則もあるんか?
あるわよ。
ステマを行った事業者に対して、措置命令や課徴金、刑事罰(2年以下の懲役または罰金)が科せられる可能性があるわ。
ふぇぇ。気を付けないとな。
ステマの事例
ステマは意図していなくてもステマになる可能性もあるので気を付けないといけないのよ。じゃあ具体的に事例を挙げてみるわね。
お願いします。
- 有名アスリートの製品使用:ある有名なスポーツ選手が特定のスポーツウェアをSNSで使用している写真を投稿し、製品が素晴らしいと絶賛する。しかし、実際には契約を隠し、対価を受けている。⇒これはステマとみなされるわ。
- レストランの偽レビュー:レストランの競争が激しい地域で、競合他社のレストランを中立的な消費者と偽って批判するレビューを書く従業員。実際にはその店の従業員であることを隠す。⇒これもステマね。
- 美容製品の偽ブロガー:美容ブロガーが特定の化粧品を高評価し、実際には広告主から支払われた報酬を受けているが、その関係を開示しない。⇒これもステマよ。
なるほどな。
その人が自分のお金で実際に買って使って評価したと思わせておいて、実はそれは全くのウソで単にお金を貰っての宣伝やったっちゅう事やな。
そう、そのような状況がステマになるわね。
ステマの対義語「ダイマ」とは
じゃあ逆にステマでは無いのはどんな場合や?
良い質問ね。
ステマの対義語は「ダイマ」といって「ダイレクトマーケティング」の略で、これは「宣伝であることを隠さずに商品やサービスを宣伝する事」よ。
ふむ。ダイマ、か。
ステマではない場合の具体例を挙げてみるわ。
- 一般消費者のレビュー:一般の消費者が自分の意見や経験に基づいて製品やサービスについてレビューを書く。⇒対価を受けていない場合、これはステマではないわ。
- 公正な開示:インフルエンサーが製品やサービスを紹介する際、きちんと関係性をオープンに開示し、報酬や提携関係を説明する。⇒この場合はステマではないわね。
- 広告として明示:WebページやSNS投稿が広告である場合、それが明示されており、消費者が広告であることを認識できる場合。⇒これはステマではないわ。
つまりこれらの事例は「ダイマ」と呼べるわね。
ふむふむ。
ステマかステマじゃない、つまりダイマかの判断は、関係性、透明性、対価の受け取りの有無など、多くの要因に依存するの。透明性を保つことが一般的には最も重要な要素よ。
なるほど。
ステマかどうかのグレーゾーンな事例
ステマかどうか判断が難しいグレーゾーンの事例も挙げてみるわ。
- インフルエンサーの賞賛:有名なインフルエンサーが製品を褒め称える投稿をSNSに行った場合、その賞賛が自発的なものか、報酬に基づいているのか見極めるのが難しいケース。
- アフィリエイトリンクの使用: ブロガーやYouTuberが商品を紹介し、それに関連するアフィリエイトリンクを提供する場合、紹介が本物の評価なのか、報酬を得るための宣伝なのか区別が難しいケース。
- 企業提供のイベント:メディア招待イベントやプレス向けの商品提供が行われた場合、参加者が提供された特典に影響されずに公正な評価を行っているのか、それとも報道の一環としているのかが判断が難しい場合ね。
うーむ。確かに判断が難しいケースがありそうやな。
でもこれって、宣伝しますと宣言すればステマでは無くなるやんな?
完全にステマでなくすためには、その宣伝をする製品やサービスと自分の提携関係を明らかにして、その上で宣伝することを宣言すればステマでは無くなるわ。
なるほどな。
よくわかりました。
まとめ
どう?「ステマ」については分かったかしら?
最初はステーキマグロの事かと思ったけどな。
そ、そうだったわね。。。ステキなママとも言ってたけど。。。
ステマとは「ステルスマーケティング」の事で、「企業からお金を貰ってるのに、それを隠して、まるで普通の人が商品の評価や感想を言っているかのように宣伝する事」、やんな。
そうよ。利害関係にある人、もしくはその企業の社員がそれを隠して宣伝するのもそうね。
要するにダマすっちゅうことやろ?
その通り、ステマは消費者をだます行為の事よ。それが発覚したら消費者から信頼は損なわれ、さらに法的にも規制され罰則を受ける可能性もあるのよ。
怖いな。。。
まあそうね。
今後ブログとかで商品紹介を行う場合や、消費者側の立場で商品を購入する際にきちんとステマかどうかを見極められるように、ステマの意味や行為を正しく認識・理解することが大切よ。
分かりました。
しっかりと頭に叩き込むで。
頑張ってね。
【関連用語】
・ダイマ